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この『少年の船』のふじ丸には、団員510名、講師、リーダー、事務局員、その他スタッフなどが63名、乗組員129名の、合計702名が乗船しています。

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班長
団員は中学一年生から高校3年生まで六歳の差があります。各組は3班編成になっており、その班の最年長者が班長さんにあたります。これは事前に連絡があるわけではなく、名簿を見て始めて知るわけです。
※リーダーの補佐役も務めなくてはいけない班長さん。毎晩9時からの班長会議に出席して、団員たちへの伝達事項や翌日のスケジュールの変更などを聞きます。自ら志願したわけでもないのに班長さんは大変なんです。

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点呼
朝のつどいに始まり、サイパン、グアムでの観光から研修、そして夜寝る前まで、集まるたびにしなければならないのが「点呼」。人員数のチェックをすると共に、団員の健康状態を見ることにもなるわけです。午後9時30分からの夜の点呼は、全員廊下に整列して班長さんの号令で点呼をとり、それをリーダーに報告します。その報告の仕方は『第1班、組員50名、事故ナシ、現在員50名。異常ありません」となりますが、時々「第1班、全員50名、事故1名、現在員49名。事故の1名は船酔いのため居室にて就寝中。異常ありません」となることもあるわけです。

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5分前
これだけ多くの団員がいるのですから当然すべてが団体行動です。団体行動には時間厳守が基本。この『少年の船』では、5分前に集合するように指導されます。ですから午前6時50分から始まる朝のつどいは、6時45分までにデッキに集合しなければなりません。
サイパンやグアムの観光にでかけると小さな露店で、ヤシの実を切ってストローをさしこんで売っています。手軽なヤシのジュースで、物は試しと買ってみる人も多いようです。味は、何だか気の抜けた清涼飲料という感じで決しておいしいとはいえません。
グアムでの交流会では会話は弾んだでしょうか。グアムの生徒を代表して挨拶をしてくれたマリクシーくんの原稿は日本語で書いてありました。文章は先生が考えてくれたそうですが、日本語を書いて読むなんてすごいですよね。それに比べたら英会話なんて簡単?でしょ。
サイパン、グアムでのおみやげものの人気といえば、やはりマカデミアナッツ・チョコレートとTシャツ。あとは可愛らしい小物と文房具。数年前、おみやげを買いすぎて帰りの交通費がなかったという団員がいましたが、今回はそんなことはなかったでしょうね。
サイパンのPICではなつかしいヒット曲「ヤングマン」に合わせて準備体操をしました。アトランタのオリンピックの時もよくかかっていましたからアメリカ人は結構好きなのかもしれません。それと、もう1曲はこ存じでしたか。そう、今アメリカで大ヒット中の『マカレナ』。今夏ドジヤーズの野球の時、5万人がこの曲で踊ったといいます。さすがメイトの人たちは新しもの好き。『少年の船』500人がスポーツデッキで踊ったら…、ちょっと見たかった気もしますが。
BGM
船内の行動はすべて音楽で聞かされます。6時30分、部屋のスピーカから「潮騒のメロディー」が静かに流れてきます。続いて、ユーミンの「やさしさにつつまれたなら」が流れ、ここでウトウトといい気分になっていると、突然となりのトトロの「散歩」、キテレツ大百科の『スイミン不足』がガーンと流れてきて、まあ普通の人なら3曲目で目が覚めます。毎朝この曲が流れてきますので3日目ぐらいになると『♪スイミン、スイミン、スイミン不足』と口ずさみながらデッキに向かいます。
この他に、食事の時は、「ミッキーマウスクラブマーチ」、研修は、「白雪姫のハイホー」、清掃の側はカーペンターズの「ジャンバラヤ」「ミスターポストマン」、そして消灯は関ゆみ子の「おやすみなさい」といった具合にBGMが毎回船内に流れます。
※お口の恋人
船が動き始めると誰でも心配になるのが「船酔い」。船酔いは病気じゃない、ただ気分が悪いだけ。というけれど気持ちが悪くて吐き気がするのは事実。そんな時お世話になるのがエチケット袋。一度手にするとなかなか手放せなくなるため、ついた別名が「お口の恋人」(指導員やリーダーから隠れて利用していた、との噂もありました)

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